ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

New York Black Culture Trivia
New York Black Culture Trivia 2011.04.24
堂本かおる の 『from ハーレム』 (No.111)

ハイ、チャイニーズ!〜子どもを叱るの巻

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           「ハーレム・ジャーナル」
    
       ハイ、チャイニーズ!〜子どもを叱るの巻
    
    
                2011.04.24 Sunday
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    ハーレムなどアジア系の少ない街に住むと、
    「チャイニーズ」と呼ばれることは珍しくありません。
    ニューヨークのアジア系の中では中国系の人口が最も多く、
    ハーレムも含めてどの地区にも
    テイクアウトの中華料理屋が必ずあるため、
    とりあえず最も馴染みのあるアジア系が中国系なのです。
    そこで「アジア系=チャイニーズ」となります。
    
    なので、私も普段は通りすがりの男性に
    「チャイナ」などと呼ばれてもいちいち訂正しません。
    キリがないからです。
    けれど今回は相手がまだ小学生だったので、あえて説明しました。
    アジア系にも多彩なエスニック(および出身国)があることや、
    他人を人種やエスニックの名称で呼びつけることの
    不躾さを教えること、
    そして何より同じ学校に私の息子も通っていることが理由です。
    
    子どもたちが私の説明によって、
    人種やエスニックについて
    年齢相応の理解をしてくれたことを望みます。
    
    
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    少し前、所用があって夫と共に息子の小学校に出掛けた。
    学校はハーレムにあり、生徒の多くは黒人。
    アフリカン・アメリカンが多く、アフリカ移民の二世も少々、
    カリブ海系は少数。あとラティーノがそこそこ。
    私の知る限り、黒人とのミックスはいても純粋な白人、
    アジア系は皆無。
    
    
    廊下で夫(黒人)、インド系の先生と話をしていると、
    3年生のクラスが通りかかった。
    知っている女の子(黒人と白人のミックス)がいたので
    「ハーイ」と手を振ると、その子も手を振り返してくれた。
    そのまま先生と話を続けていると、
    誰かが「ハイ、チャイニーズ!」と言った。
    振り返ると1人の背の高い男の子がこちらを見ている。
    先頭を歩く先生(白人)には聞こえなかったらしく、
    そのまま教室に向かっている。
    
    
    先生に追い付き、
    「私は1年生の●の母親です。
    今、誰かが私に向かって
    『ハイ、チャイニーズ』と言ったんですけど」と言うと、
    先生は「……まぁ……誰なの?」と生徒に“やさしく”尋ねる。
    反応が薄過ぎるというか、全然、事態を把握していない。
    
    
    なので列の中央、
    こちらを見ていた背の高い男の子に「あなたなの?」と訊く。
    するとその子は「違います。彼です」と、
    自分の前にいる背の低い男の子を指差す。
    腕組みしているその少年に「あなたなの?」と訊くと、
    ふてくされた顔で「No」とだけ言う。
    思いっきり有罪だ(笑)
    
    
    「じゃ、誰なの?」とクラス全員に訊くと、
    少年の周囲の子たちが一斉に彼を指差し、
    「この子!!」と言う。
    クラスメートをかばう気持ちはゼロ(笑)。
    笑いそうになるのをこらえて、クラス全員にレクチャー。
    
    
    「まず第一に、私は中国人ではなく日本人。
    第二にアジア系には日本、中国、韓国などいろいろあって、
    仮に私が中国人だったとしても、
    あなたにはそれを知る由もない。
    加えて、人をあんな風に呼ぶべきではない。失礼だ」。
    
    
    先生は黙って眺めている。
    本来は教師がクラスを仕切るのであって、
    親が生徒に直接、こんな風に話すのはルール違反。
    けれど先生がアテにならなかったのだ。
    
    
    ところで驚いたことが2つ。
    この子たちはまだ3年生なのに、
    ひとりは通りすがりの他人に「ハイ、チャイニーズ!」などと、
    ストリートのサグみたいに振る舞った。
    もうひとり、
    私が最初に嫌疑をかけた背の高い男の子(ごめんね)は、
    私のレクチャー後に「アイム・ソーリー」と言った。
    3年生なのに、友だちの失態を自分が謝ったのだ。
    なんて大人びた振る舞い。
    過去に何か、人種にまつわる体験があるのだろうか?
    
    
    いずれにせよこの2人、
    まったく異なる面ではあるけれど、
    8歳にしては、それぞれに成熟し過ぎ。
    あぁ、ハーレム。
    
    
    
    ニューヨーク・ハーレム・ジャーナル



    堂本かおる 
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書・木村怜由

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