ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

２万ドルのバラと、１ドルの施し

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ ■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆ 　　　　　　　「ハーレム・ジャーナル」 　　　２万ドルのバラと、１ドルの施し 　　　　　　　　　　　 2010.03.27 Saturday ■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆ ▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼ 今週は仕事でニューヨークの トップレベルのフラワーアーティストのスタジオに連日、 詰めていた。 カルバン・クライン、オスカー・デラレンタ、 ベラ・ウォンといったデザイナーのショー、 ファッション雑誌、マーサ・スチュワート の番組などで 活躍してきたマイケル・ジョージという人。 高級花専門のアレンジを手掛けていて、 パーティ会場のテーブルセッティングやデコレーションを頼むと、 ため息の出るような金額になるらしい。 花にはそれほど関心のない私も、 一流のプロの仕事を間近で４日も見ているうちに 多少のテクニックは学んだ。 本人はとても気さくな人で、 エスペランスとかいう大輪のバラをおみやげにいただいた。 家でマネして生けてみて驚いた。 キッチンテーブルが華やいでゴージャスに見えるではないか。 その翌日、ツアーでサウスブロンクスへ。 この辺り、平均世帯所得が２万ドル（160万円）くらい。 大きなパーティーをマイケル・ジョージに頼むと これくらいの金額になるかも……などと、 道を歩きながら思わず考えてしまう。 ツアーが終わってマクドナルでコーヒー休憩。 （スタバなんて無いから） するとラティーノの青年が物乞いをして回っていた。 英語とスペイン語を使い分けて 「アイム・ソーリー、少しでもいいから恵んでください」と。 大抵断られていて、 私も最初は「No」と頭を振った。 その直後、多くのアメリカ人には 「アジア人は英語できないだろう」とか、 「ケチだ」とかいう先入観があっ て、 物乞いにすら無視されることがあるのに、 そんなことも構ってられないほど困ってるのかな……などと考える。 私の向かいのテーブルに座っていた男性は 物乞い青年に向かって、 「オレも一文なしなんだよ。保護観察中だからよ」ときた。 物乞い青年は、よほど困窮しているのか、 店内をひととおり回った後に２巡目を始めた。 さすがの私も、わざわざサイフを開けて１ドル札を渡す。 とても感謝された。 マイケル・ジョージのスタジオから、 このマクドナルドまで、 地下鉄乗り換え無しで20分の距離。 マイケル・ジョージ公式サイト http://www.michaelgeorgeflowers.com/ ニューヨーク・ハーレム・ジャーナル 堂本かおる　 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ニューヨーク・ブラックカルチャー・トリヴィア http://www.nybct.com ニューヨーク事情ブログ：ニューヨーク・ハーレム・ジャーナル http://nybct.jugem.jp/ ハーレム・ツアー http://www.harlemjp.com/ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ .