ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

New York Black Culture Trivia
New York Black Culture Trivia 2009.06.16
堂本かおる の 『from ハーレム』 (No.92)

「迫害されるかも。殺されるかも」と自覚しながら
育つ子どもたち


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           「ハーレム・ジャーナル」
    
       「迫害されるかも。殺されるかも」と自覚しながら育つ子どもたち
    
    
                2009.06.16 Tuesday
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    今日、用事があって息子の通う幼稚園に出掛けた。
    ユダヤ教団体が母体の園で、園はユダヤ系以外の生徒と教職員ばかりだけれど、
    敷地内にシナゴーグ(ユダヤ寺院)があり、
    ダビデの星のサインも建てられている。
    
    
    シナゴーグの前には2人の警官が立っていた。
    先週、ワシントンD.C.にあるホロコースト博物館で
    アンチ・ユダヤの銃撃事件が起こって以来、
    ニューヨークのユダヤ関連団体にも警備が付いているのだ。
    
    
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    先週、ホロコースト博物館にネオナチの男がライフルを手に乱入し、
    警備員と銃撃戦になった。
    結果、警備員1名が亡くなり、犯人も撃たれて重症。
    一般人に被害は出なかった。
    
    
    犯人の男は、なんと88歳だった。
    ネオナチ界では知られた存在で、
    過去にもユダヤ系要人の誘拐未遂罪で刑務所に入っている。
    CNNのコメンテイターによると、
    人種憎悪罪で刑務所に入るとネオナチ界では尊敬の的になるとかで、
    今回の犯人も「敬われていた」らしい。
    
    
    ネオナチはユダヤ人だけではなく、黒人やゲイなど全てのマイノリティーを憎む。
    犯人が残したメモには「オバマはユダヤ人が作った」などと書かれていた。
    ユダヤ系がバックアップしてオバマを大統領にした、という意味だと思われる。
    ということは、アンチ・ユダヤ、アンチ黒人の犯人にとってオバマは
    憎んでも憎み切れない=暗殺の対象に成り得るということか。
    (今回、撃たれて亡くなった警備員は黒人男性だったものの、
    これはアンチ黒人というより、入り口にいた警備員を最初に撃った結果だと思われる。)
    (アジア系も憎悪の対象であることは確か。アメリカ、特に東海岸では
    アジア系は人口が少なく、だからネオナチの眼中に入っていないだけ。)
    
    
    それでも犯人のいちばんのターゲットはユダヤ系であることに間違いはない。
    
    
    息子の幼稚園と同じ敷地内にユダヤ学校もあって、
    表のバスケットコートでは、ヤムルカを被ったティーンエイジャーの男の子たちが、
    いつもバスケをしている。
    その目の前に警備の警官が立っている。
    ユダヤ教、特にオーソドックスの子どもたちは
    「自分はユダヤ系だから迫害の対象になる」と自覚しながら成長するのだ。
    
    
    21世紀のアメリカで、
    宗教とエスニックによって生命が脅かされる可能性をベースに置いて
    生きていかなければならないとは。
    
    
    不幸中の幸いは、犯人が命を取り留めても殺人罪で起訴されるので、
    年齢を考えると刑務所を出ることはないだろうということ。
    
    
    アメリカ国産テロリスト in the Bronx
    息子の通う幼稚園を運営するシナゴーグは、先月もテロの危機に瀕したばかり
    
    
    ニューヨーク・ハーレム・ジャーナル



    堂本かおる 
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書・木村怜由

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