ニューヨークの街角から

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Off Off New York Tours, Mr. 川島 の 『素顔のニューヨーク』 No.32 2004.06.20

『ブロードウエイの祭典、トニー賞発表』


    ブロードウエイのトニー賞は、映画のアカデミー賞に匹敵する。トニー賞を受賞 することは名誉であると同時に、劇場にとっては入場数の増加が見られる。入場 客が少なくなり、終演に向かっている公演も受賞と同時に息を吹き返す。ミュー ジカル・リバイバル作品部門の「ワンダフル・タウン」は、「アサシンズ・暗殺者 たち」がリバイバル部門に入らなかったら、作品賞を受賞し、制作者は歓喜した ことであろう。「アサシンズ・暗殺者たち」は、1990年代にオフ・ブロード ウエイの中劇場で短期間公演が行われていたので、リバイバル(再演)とされた。

    「ワンダフル・タウン」は、名優ドナ・マーフィがミュージカル主演女優賞を逃し、 振り付け賞1部門のみの受賞となった。彼女の演技は見るべきものもあるが、 作品は終演に向かうと思われる。トニー賞の司会をした、映画スターでもある ヒュー・ジャックマンはその主演作「ザ・ボーイ・フロム・オズ」でミュージカル 主演男優賞を受賞した。

    この作品はあまり高い評価をうけてない。ただ彼の演技のすばらしさで、上演が 続いている作品である。彼が作品を降りたら、すぐに終演するであろう。「アサ シンズ・暗殺者たち」は、7月4日に終演予定であったが、ミュージカル・リバ イバル作品賞を受賞したので、9月12日まで延期した。

    今年の受賞で人々を驚かせたのは、ミュージカル作品賞の「アベニューQ」である。 オフ・オフ・ブロードウエイの小劇場から劇場を替え、ブロードウエイに這い上が ってきた。日本のテレビでもおなじみの人形劇「セサミ・ストリート」風のスタ イルを、ニューヨーク市で人種差別、雇用問題、住居問題、男女関係などでもがく 人々とモンスターを描いた風刺劇に仕上げた。小さな規模のミュージカルだが楽し める。

    「セサミ・ストリート」風といっても子供向けではない。トニー賞に先立つドラマ ・ディスク賞などの作品賞を数多く受賞した「ウィッキド」がトニー賞受賞を有力 視されていた。主演女優賞はイディーナ・メンゼルが、同作品から同部門の候補と なっていたクリスティン・チェノウェスを押さえての受賞となった。舞台美術、 衣装、照明などでブロードウエイの豪華さを味わうことができる作品である。

    オフ・ブロードウエイのパブリック・シアターからブロードウエイに上がってきた 「キャロライン、オア・チェインジ」は、黒人メイドとそのユダヤ人の家族を通し て、市民権が目覚め始めた1963年のルイジアナを舞台を¥描いたミュージカル である。助演女優賞をアニカ・ノニ・ローズが受賞した。

    トニー賞受賞発表の翌週にブロードウエイの劇場の売り上げが増加した。受賞に 関係した作品はもちろんのこと、関係していないロングランの人気ミュージカル も増収している。その中で2002年のミュージカル作品賞を受賞した「ソロー リー・モダン・ミリー」は予定通り6月20日に最終公演を行う。

    川島裕次
    オフ・オフ・ニューヨーク・ツアーズ
    HP:http://www.offoffny.com

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書・木村怜由

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