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NYの美容ガイドのことなら・・・ NAGASE HIDEKI~hair make~まるごとNY版コラム
2007.08.26 ・ No. 09

「ヘアサロン近未来予想図・・・その(2)」


    「活性度」は高く「成熟度」の低い東京に話しを移すが、その完成度の低さ ゆえに、意外に「変わりしろ」は大きい。現在の状況を確認すると、一般的に 美容室におけるマーケティング理論では、「新規客を多く集めたサロンが勝つ」 と言われている。

    大雑把に考えて、雑誌などのメディアに露出し新規開拓するサロンと、初回 何パーセントOFFといったディスカウントで集客するタイプのサロンが出てきて、 その競争が激化してきたのがここ数年だった。どちらも新規の開拓をにらんだ 仕組みだ。メディアなどへの露出タイプの代表が、青山や原宿などの都心の 有名店であり、こういったサロンを「頂点」としたマーケット形態だった。 皆さんも、雑誌でよく見るサロンが、おおよそ上手なサロンだと考えていたと 思う。

    このカタチはここ数年で大きく変わると予想している。まず、大きな流れとして、 大手コンビニや、ファミレスあたりが、美容業界に参入するのではないかと思う。 大手資本で、経営力もあり、チェーン展開のノウハウが生かされるはずで、 こういった新ブランドが、どの辺の層を狙ってくるのかが楽しみだ。万が一、 都心の有名店に行っていた、ややミーハーな層もターゲットに含んだ場合には、 一番おもしろい展開となる。

    既存の有名店は、今まで通りマーケットの頂点に居ようとするものの、市場の 仕組みとともに、コンビニサロンと同じカテゴリーに吸収される。特にスタッフ 数が多く、規模の大きいブランド程、これを余儀なくされるに違いない。

    もし私が、大手有名サロンのオーナーだったとしたら、逆にそのタイミングの前に、 自分のサロンをフランチャイズ化するだろう。今の市場形態であれば、人気サロン の名前で、全国から加盟店を集められるだろうし、十数倍になった企業力によって、 外からの大手資本との競争力も持てる。

    ブランドとしては、なんか安っぽくなった感じで残念なようだが、企業にとっては、 ひとつのサクセスだとも言える。おそらくフランチャイズ化する有名店は実際に 出てくると思う。

    そこで、一番良いサロンを探して妥協したくないタイプの人が、行きたいサロン を失う事となる。そこで、小さくてクオリティーの高いサロンが増えてくるだろう。 こちらのカテゴリーでも、かなり面白い展開が待っている。詳しく語ると本が 一冊書けそうなので、おもいっきり完全省略させて頂くが、ここ1、2年、私の 活動はまさにそこを見ていて、現在のサロンマーケティング理論とは、まるっきり 正反対の事をしている。単にビジネスとしての展開がドラマティックであるという 事ではなく、本当の意味で価値ある活動であったり、「文化」となりえるカタチ を造りたい訳で、すでに私の頭の中では出来上がっている。なので今、このへんを 一番楽しみにしているのは、間違いなく私なのだろう。


    長瀬英貴
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    東京 青山の大手人気サロン・トップスタイリストとして
    15年勤務。05年にNYに渡り、07年から東京とNYを
    ベースに、世界で活動。美容師の目から見たニューヨークと
    こちらの美容環境等をレポートしていきます。
    NAGASE HIDEKI~hair make~まるごとNY版コラム
    http://homepage.mac.com/nagase.com/
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書・木村怜由

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