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No.952007.03.05

『オーソドックスのユダヤ人』

    一つの人種を取り上げるのには多少抵抗があるが、それぞれの患者さんに合ったニー ズに応えることは医療スタッフにとって大切な役割りだと思う。なぜなら患者さんや その家族が快適に入院期間を過ごせないということは回復にも影響するからだ。M小 児病院の近くにOrthodox Jewish というコミュニティーがある。彼らは外の世界に影 響されない自分達だけの世界で暮らしている。コミュニティー内で結婚するため、近 親結婚が多い。そのため、さまざまな遺伝的異常があり、この病院にも多くの Orthodox Jewish の患者さんがくる。

    まず見た目に大きな違いがある。女性は結婚したら地毛を外に出してはいけないた め、全員かつらをかぶっている。スカートも足をすっぽり隠したような長いスカート だ。男性は皆もみ上げをカールにしていて、頭はほぼ借り上げられていて必ず黒い帽 子をかぶっている。自由なのは子ども達だけだ。それも男の子の場合はせいぜい3, 4歳までだ。

    そんな彼らのニーズはなんなのだろうとこちら側として気に留めておかなくてはいけ ないことを聞いてみた。彼らはYiddish (ヘブライ語)の音楽しか子どもに聞かせな いようだ。ベッドの柵にCDがくくられていたが、そこからは確かにヘブライ語での子 どもの音楽が流れていた。さらにコミュニティーではテレビが禁止され、子ども達は 映画やDVDを見てはいけないことになっている。そのため、病院に来たときは特別な のだそうだ。なぜなら各個室に大きなフラットパネルのスクリーンがあり、子ども達 は自由にDVDやテレビを見ることができるからだ。

    それにしてもOrthodox Jewish の暮らしは俗の世界をシャットアウトすることに力を 入れていながら、どうしてもこのニューヨークで暮らすにはインターネットのない世 界で暮らすのはむずかしいという。子ども達も彼らの通うユダヤ人専門の学校ではイ ンターネットを利用していない。家にある場合も子どもは使えず、大人でもフィル ターをしっかりとかけるように言われているそうだ。避妊も禁止されているため、子 どもはだいたい7,8人は産む。避妊が許されるのは何かからだに問題があるときの みだそうだ。さらに驚いたことはアメリカで生まれ、ここで育っていくにも関わら ず、英語を教えることに制限がある。まず女の子は学校で英語を4時間も習うが、男 の子はその4分の1の時間しか与えられない。彼らはしっかりとヘブライ語を学ぶ。 なぜ女の子は英語をもっと習うのかと聞いたら、彼女達は外の世界との交渉をしなく てはいけないからだという。なるほど。子どもを看ているのはほとんど女性だ。もち ろん食べ物にしても Kosher という祈りのささげられた肉しか食べない。

    このように特別なコミュニティーの人々と接することができるのも、どの人種でも病 気になったり、事故に合うことは避けられないからだ。今後、彼らがどの程度外の世 界から遮断された生活を送られるかは疑問だが、一つの信念を通すことの強さを彼ら は私に教えてくれたように思える。

    ノーラ・コーリ
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    Nora Kohri
    (Overseas childbirth and childcare consultant)
    info@caretheworld.com
    http://www.caretheworld.com
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書・木村怜由

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