最近では日本にも浸透してきたハロウィンですが、元々はキリスト教のお祭りで、 死者の魂が戻ってくる日とされ、悪霊の魂が寄ってこないように脅かすために 仮装をするようになったそう。日本で言うお盆のようなものでしょうか。日本も お化けと言えば夏のお盆の時期ですものね。それが今では皆思い思いの仮装を して楽しむなんともアメリカらしいお祭りに。特に小さな子供たちが“トリック ・オア・トリート”（お菓子をくれないといたずらするぞ！）と言ってチョコ チョコと歩いている姿は本当にかわいくて微笑ましいものです。しかしながら ここはグリニッジヴィレッジ。凝った衣装やメイクでパレードに参加して、 その後はパーティーで大騒ぎ。主役は大人です！日ごろの嫌なこと忘れて一年に 一度パーっと盛り上がってしまおうという感じです。

私達のお店もパレード用の衣装に合わせて靴を探しに来る人や、カスタムシューズ をオーダーする人達でとても忙しくなります。特にパレードで目立つためプラット フォームシューズのオーダーが多いのです。背が高い方が目立ちますものね。 ゴーゴーダンサーに扮するためのプラットフォームブーツやスニーカーから、 オズの魔法使いのドロシーのかわいらしい靴まで何でも作りました。ハルク・ ホーガン（アメリカで有名なプロレスラー）になるというお客さんが同じ日に 二人も登場しニーハイ・レスリングシューズを２足も用意したりもしました。 “あの黄色いパンツ（レスリング用パンツで、ハルク・ホーガンのパンツの色と いえば黄色なのです。）が見つからなくってさー。どんなのを用意した？”など と情報交換をしていたのがなんとも笑わせてくれました。このように準備期間忙 しくすごして、当日自分たちがカスタムをしたお客さんたちの仮装を楽しむのが、 毎年の私達のハロウィンの過ごし方です。靴だけを作っている時は一体どんな 仮装になるのか想像でしかないのですから、当日にお客さんがやって来た時初めて 完成を見ることができるのです。“もしこの靴がなかったら、ココまでできなか ったよ！ありがとう！”と言ってくれるお客さんもいて、私たちもとても嬉しい ものです。

今年はなんと言っても１８インチ（約５０センチ）のプラットフォームを履いて 悪魔に扮して街を練り歩いたお客さんがナンバー１。このプラットフォーム シューズもちろん私たちが作ったのですがあまりにも高いため、オーナーの意見 で足首にサポートをつけたりと工夫しました。悪魔のメイクをし、角と羽と尻尾 をつけた彼は悪魔そのものでプラットフォームのおかげで身長は２メートル以上。 待ち行く人達が皆足を止め、写真を頼む人々に囲まれる人気ぶりで、悪魔の ように振舞う姿は本当の役者さんのようでした。そんな姿を見ていると作った 甲斐があったというものでオーナーも満足そうでした。

悪魔になるのも大変なもので、このプラットフォームシューズ１８インチもある ものですからとても重い上に、尻尾をつけているので座ることができません。 実は彼は陸軍に勤務していて体力には自身があるのですが、そんな彼でも汗を だらだら流しかなり辛そう。周りにいる友達が水を口に運んだり、汗を拭いたり、 そしてメイクを直したりとアシストしていました。“この後１０時からパーティー に行くんだよ。明日は一日中寝てるよ・・・”だそう。ちなみに、色々なクラブ のパーティイベントでは良くできた仮装に賞金をくれる場合もあるそうで、彼は 去年は約５０００ドルの賞金を勝ち取ったそう。これだけがんばったらそれ ぐらいのご褒美が出てもいいですよね！？今年はどこまで行けたのか報告を待つ ことにします。

皆さんもこの時期ＮＹに遊びに来ることがあったらぜひハロウィンの仮装を用意 してパレードやイベントに参加してみてください。とってもグリニッチビレッジ らしいお祭りですよ。

グリニッチビレッジ・ハロウィンパレードのウェブサイト 今年のパレードの様子が見れます。

http://www.halloween-nyc.com/index.php

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