「ニューヨークの街角から」No.57

ニューヨークの街角から

Off Off New York Tours, Mr. 川島の『素顔のニューヨーク』 No.57 2006.02.06

『オフ・ブロードウエイ・パフォーマンス「ストンプ」5000回公演』

ブロードウエイで、ミュージカル「オペラ座の怪人」が2006年 1月9日に7486回目の公演を行い、キャッツを抜き、ブロードウエイ歴代第1位のロングラン記録を樹立したことは新聞を始め、あらゆるメディアで目にしたことと思う。大劇場が建ち並ぶタイムズスクエア地区から遥か南に下ったダウンタウンのイースト・ビレッジ地区では客席300席ぐらいの小さな劇場、オフ・ブロードウエイからさらに小さな100席程の劇場、オフ・オフ・ブロードウエイと呼ばれる劇場が集まっており、この地区でも長期ロングラン公演が行われている作品がある。
オフ・ブロードウエイ・パフォーマンス「ストンプ」が、2006年 1月21日10:30pmの公演でオルフェウム劇場(126 Second Avenue between 7th and 8th Steet)5000回目の公演を行った。同公演は、ほうき、排水管用掃除用具、タイヤのホイール・キャップ、ジッポ・ライターなどあらゆるものをたたいてリズムが作られる、言葉が一切ないパフォーマンスで、1994年2月27日にオープンした。また同作品は現在全米からヨーロッパ、アジアまで巡業する世界規模の人気作品となり、アウター・クリティックス・サークル賞、オビー賞、イギリスのオリビエ賞などを獲得している。さらに劇場だけでなく、HBOケーブル番組となり、エミー賞を獲得。「Pulse (パルス)」という映画作品になったり、たくさんのテレビ番組にも顔をのぞかせている。
余談となるが、このイースト・ビレッジでは「ブルーマン・ブループのチューブ」という無言のコメディ・パフォーマンスもロングランで人気を集めている。またこのやや北のユニオン・スクエア・パーク近くでは、かつて「デ・ラ・グアルダのビシャ・ビシャ」が行われており、最近は「スラバのスノー・ショー」というやはり無言のマイム・パフォーマンスが人気を集めている。大劇場街から離れて、ダウンタウンの小さな劇場の人気作品を是非ご覧下さい。
なお、オフ・ブロードウエイの最長ロングラン記録を持つ作品は、ミュージカル「ファンタスティックス」の17,162回。
川島裕次
オフ・オフ・ニューヨーク・ツアーズ
ＨＰ：http://www.offoffny.com
ブログ：http://offoffny.livedoor.biz